山火事による避難命令が警告に引き下げられ、わが家は7月末に帰宅することができましたが、8月6日現在、燃え続けている山火事が132件、5,912㎢燃えつくされました。東京都の面積が約2,200㎢ですから、2倍を超える面積が燃えたことになります。今回の山火事は、8,500㎢を焼き尽くした1958年の山火事に次ぐ被害だとのことです。

地元ウィリアムズレイクでは、未だ警告の状態ですし、山火事の季節は始まったばかりなので、状況次第では再度避難することも頭に入れて生活しています。

夏は通常でも山火事のリスクがあるので、消防署の前の立て札で焚火などをしても良いか確認します。今は、もちろんこの通り、「非常に危険」。

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山火事の直接の被害に加えて、煙による空気の汚染のため、呼吸器疾患など健康が心配な人やその家族など、今も避難生活をしている人もいます。最初の山火事の2~3日後、空気の汚染が著しく、わが家でも避難を検討しました。この時点で、市内の病院では重症患者をプリンスジョージに移送していました。

スーパーマーケットなど、生活必需品を販売するお店は開店していますが、普段の営業時間を短縮して早じまいするお店、警告が出た直後から閉店しているお店もあります。カナディアンタイアは2~3日前から営業を始めましたが、ウォールマートは今も閉店中です。開店中のお店も人手が足りない状態で営業しているような印象です。

さて、今回は非常にローカルなトピックですが、自分の備忘録も兼ねて進めてまいります。

情報収集

地元で警告が出たときは電話で連絡があったようです。わたしは家にいましたが、電話が出ると数秒の間があり、そういう電話は大抵セールスコールだろうと思って切ってしまいました。

近所の人が、録音状態の悪いテープが回っていて、山火事のことだけど内容がはっきりしないのでと情報交換しましょっということでしたが、何も訊かずに切ってしまったわたしは何も解らず。幸い、詳細を知るための電話番号をメモしてくれていたので、そちらにかけると警告だったと知りました。電話の主を確認せずに切ってしまうのはだめですね。

その後、周囲に煙で霧がかかったようになっていたので離れた場所を自分の目で確かめることができなくなりました。山火事があちこちで広がっていることは知っていましたが、実際、地元ではどんな状態か、なかなか知ることがはできなくなりました。誰かの「~だと思う」という考察がいつの間にか「~だ」という情報になってしまうことが気がかりだったので、情報源は慎重に選ぶようにしました。

それが正しいかは個人の判断ですが、わたしはこちらの情報を頼りにしていました。

  • ウィリアムズレイク市のツイッターとFB

  • CRD (カリブー地域の政府機関)Emergency OperationsFB

  • ウィリアムズレイク市のツイッターとFB                

  • Emergency Info BCのツイッターとリンク

  • BC Wildfire Serviceのツイッターとリン


報道に関しては、どちらともとれるような曖昧な表現や、データが出るはずもない速度で結論を述べていた報道もあったので、あくまでも参考として使いました。

避難命令

避難命令は地元政府が発令し、地元警察または連邦警察が実際の避難を執行します。わたしは、警告の時点で避難していたので経験していませんが、警察官が1件1件回って告知したそうです。

車での移動が当たり前のようなコミュニティではありますが、交通手段のない人には何か所かミーティングポイントが設けられていて、バスが提供されました。

「推奨しませんが」という但し書きはありますが、成人は避難をしない権利があります。避難をしないことを選択したら、自分の所有地に留まらなければいけません。また、一旦所有地を離れたら、戻ることができません。牧場や畜産農家は餌を与えたり、世話をするために一時的にも所有地に戻れなくなるため、避難をしない選択をされた人がいたそうです。

わたしたちは命令が出る前に北のクネル市に避難し、北上することはできましたが、クネルから南に向かう道路は閉鎖されていたので、その時点で再び家に戻ることはできませんでした。地元では、警告の時点で避難した人が半数ほどだったので、留守宅の増えたコミュニティの保安のため、出入りの規制をしていたようです。

また、地元に避難命令が出た場合、わたしも含めて、北のプリンスジョージに向かうものと思っていましたが、実際は南のカムループスへ誘導され、プリンスジョージの親族の元に身を寄せるつもりだった人はだいぶ迂回してたどり着いたそうです。

わたしたちは、会社に促されるまま早めにクネルに避難したわけですが、避難地への移動が容易であったこと、仕事を続けることができたことなど、本当に幸運だったと思っています。迅速な判断で地元に残っていた従業員を移してくれた会社や担当の人たちには、今もとても感謝しています。

また、避難命令が出た後、日本領事館から避難先の確認のメールがありました。日本人であることで、気に懸けていてくれている方がいたこと、とても心強く思いました。

チェックリスト

地元に警告が出た頃、勤務先に避難の際のチェックリストのコピーがあったのでもらってきました。


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ガソリンを充分補給する、重要書類・現金・医薬品や処方箋を持って出るなど常識的な事柄以外で目に付いたものは、

  • 金属製のブラインドがあれば閉める

  • 可燃性の窓装飾品は外す

  • 庭用の家具(テーブル・椅子)などは(消火などの邪魔にならないよう)庭の片隅にまとめる

  • 庭用のスプリンクラーは水道に繋いだままにしておく。

  • ガス栓を閉め、冷蔵庫・冷凍庫以外の電気製品はコンセントを外す。

  • 外灯は点けておく(家が見つけやすいためと停電があった場合電力会社の職員が通電している家をすぐに見分けられるよう)

  • ペットは置いて行ってはいけない

  • 避難したら、Emergency Social Serviceに登録する(受給資格のある援助を受け取るため)

などです。

長くなりましたので、ペット事情と空気汚染については次のページへ続きます。







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