去年の初夏にマダニに関する記事を書いていた時点では、地元BC州内陸部に生息するマダニはライム病の病原菌を媒介しないという情報でしたので、厄介な生き物という程度で大分のんびりと構えていました。ところが、今年になって地元でライム病の感染がヒト4件、犬2件報告されたので真剣にマダニ対策をしなければと思っていいるところです。
ライム病といえば、アヴリル・ラヴィーンが感染して数か月休養、復帰後、死ぬかもしれないと思ったと言っていた病気です。初期症状はインフルエンザに似ているのですが、マダニに噛まれたあとに症状が出た場合、すぐに検査をする必要があります。また、遊走性紅斑が出た場合も、ライム病に限らず、他の病気に感染している可能性があるので、すぐにお医者様に診断してもらわなければなりません。遊走性紅斑は英語ではBull's Eyeと言いますが、噛まれた部分が赤く腫れあがり、その外側に同心円状に腫れがでて、まさに牛の目のようになる症状です。
マダニはイエダニなどと同様、昆虫ではなく足が8本ある蜘蛛に近い生物ですが、生態が違うので区別する必要があります。イエダニなどはカーペットや寝具に潜んでいて吸血しては離れていきますが、マダニは皮膚に穴を開けてその場に1週間ほど留まって継続して吸血して、終了すると離れていきます。吸血前のマダニはケシ粒ほどの大きさなので、注意していれば肉眼で見える大きさです。
わたしは1度噛まれたことがありますが、噛まれた瞬間も吸血中も痛みや痒みはなく、まったく気付きませんでした。ある時シャンプー中に、うなじの少し上、髪で隠れる場所に指で触れてはっきり解る突起があったので、まさか!と思い家人に見てもらったところマダニがとりついていました。前日髪を洗ったとき、その日の朝ブラッシングをした際にはなかったので、数時間で体が膨れ上がったのでしょう。吸血が終わる頃のマダニは体が100倍ほど膨れ上がるそうです。
マダニに噛まれてしまったら、わが家ではすぐに除去することにしています。吸血したマダニはお腹が固い殻に覆われたようになっていて、一見するとナッツが皮膚から突き出ているように見えます。マダニを取り除くとき、この膨らんだ腹部をつまんだりすると、体液が皮膚内に注入されてしまう惧れがあるので、なるべく触れないようにします。
ピンセットなどで頭の部分をしっかりと挟んで垂直にゆっくりと引き上げて取り去ります。これはかなり痛みを伴う作業で、犬の場合、大泣きして抵抗するのでひとりが犬をしっかり押さえて、もうひとりがマダニを取る、最低2人で行うのが良いと思います。自分の経験では、ピンセットで肉の一部をもぎ取られるような痛みでした。
取り除いた際に頭や顎が皮膚の中に残っていないか、マダニをティッシュペーパーなどの白い紙の上に載せて点検します。また、取り去ったマダニを潰したりすると病原菌をまき散らすことになるので、紙に包んだままトイレに流します。マダニは生命力がかなり強いので、死んだことを確認できる方法で処理します。
マダニを出来るだけ容易に取り去る方法として、オリーブオイルやワセリンで窒息状態にしたり、防虫液などで弱らせてから取り去る方法もあります。ティーツリーオイルをたらしてみると、少し簡単に取れたような気がしましたが、これには諸説あって、刺激を与えることでマダニの体液がより多く皮膚内に注入されるから避けるべきという人もいます。
ライム病に感染するには24時間かかるので、まずは噛まれない予防策を取る事、万一噛まれたらすぐにマダニを除去することで避けることができますが、最近のニュースで気になったのが、ポワッソンビールスです。
ポワッソンビールスはポワッソン脳炎を発症させる病原菌ですが、ポワッソン脳炎には現在有効な治療薬がありません(ライム病には抗生剤が用いられます)。比較的稀な病気で、カナダでは過去40年間に12件の報告があるのみで、アメリカ北東部からカナダ東部に記録があるそうですが、マダニが活性化する時期に注意を喚起していました。
ライム病やポワッソンビールスは人もペットも感染するリスクがある人畜共通病ですし、他にもマダニが媒介する病気があるので、やはり、先ずは人も犬もマダニに噛まれないようにするのが先決だと思い、予防法を復習してみました。
マダニの生息地に立ち入らない
マダニは飛ぶことも跳ねることもできず、草の裏などに潜んでいて人や動物が触れたときについてきます。草の生い茂った場所、特に背の高い草のある場所は避けて通らなければいけません。また、野生動物が頻繁に行き来する獣道にはマダニが多く生息している可能性があります。
また、ハイキングで休憩する場合は草のない岩の上などが良いそうです。
服装
なるべく皮膚が外に出ていない服装、長袖に長パンツでパンツの裾はソックスの中に入れるかロングブーツを着用、袖口にテープを巻くとマダニの侵入を避けられるそうです。
マダニの生息地から帰ったら、服についていないか点検、すぐにシャワーを浴びたり、入浴して皮膚にマダニが付いていないかを点検。
防虫スプレー
マダニに限らず、蚊やその他の防虫にはDEETという成分が配合されている防虫スプレーが有効だそう
です。
ただし、服や持ち物の材質によっては腐食する可能性がありますし、毒性が強いので毛をなめるペットには使用できません。
さて、わが家ではどうしているかというと、地元でライム病の報告があって以来、わたしは森には行っていません。近くの湖は、駐車場から湖まではあまり草のないところを通っていけるので、犬の運動は今のところ湖で水泳か裏庭でボール遊びをして、舗装道をオンリーシュで散歩しています。
家人はマダニが嫌うローズゼラニウムオイルを犬に擦り込んで森に出かけて行っています。このオイルはバラのような香りで少量なら快適なのですが、犬2匹に適量つけるとかなり強烈です。森から帰ったら、毎回フリーコームで毛を漉いて点検、足を洗いながら指の間を点検なのですが、以前より念入りにしているので、かなり時間をかけています。これは、ちょっと真似できない忍耐です。
ジャーマン・シェパード ブログランキングへ
ライム病といえば、アヴリル・ラヴィーンが感染して数か月休養、復帰後、死ぬかもしれないと思ったと言っていた病気です。初期症状はインフルエンザに似ているのですが、マダニに噛まれたあとに症状が出た場合、すぐに検査をする必要があります。また、遊走性紅斑が出た場合も、ライム病に限らず、他の病気に感染している可能性があるので、すぐにお医者様に診断してもらわなければなりません。遊走性紅斑は英語ではBull's Eyeと言いますが、噛まれた部分が赤く腫れあがり、その外側に同心円状に腫れがでて、まさに牛の目のようになる症状です。
マダニはイエダニなどと同様、昆虫ではなく足が8本ある蜘蛛に近い生物ですが、生態が違うので区別する必要があります。イエダニなどはカーペットや寝具に潜んでいて吸血しては離れていきますが、マダニは皮膚に穴を開けてその場に1週間ほど留まって継続して吸血して、終了すると離れていきます。吸血前のマダニはケシ粒ほどの大きさなので、注意していれば肉眼で見える大きさです。
わたしは1度噛まれたことがありますが、噛まれた瞬間も吸血中も痛みや痒みはなく、まったく気付きませんでした。ある時シャンプー中に、うなじの少し上、髪で隠れる場所に指で触れてはっきり解る突起があったので、まさか!と思い家人に見てもらったところマダニがとりついていました。前日髪を洗ったとき、その日の朝ブラッシングをした際にはなかったので、数時間で体が膨れ上がったのでしょう。吸血が終わる頃のマダニは体が100倍ほど膨れ上がるそうです。
マダニに噛まれてしまったら、わが家ではすぐに除去することにしています。吸血したマダニはお腹が固い殻に覆われたようになっていて、一見するとナッツが皮膚から突き出ているように見えます。マダニを取り除くとき、この膨らんだ腹部をつまんだりすると、体液が皮膚内に注入されてしまう惧れがあるので、なるべく触れないようにします。
ピンセットなどで頭の部分をしっかりと挟んで垂直にゆっくりと引き上げて取り去ります。これはかなり痛みを伴う作業で、犬の場合、大泣きして抵抗するのでひとりが犬をしっかり押さえて、もうひとりがマダニを取る、最低2人で行うのが良いと思います。自分の経験では、ピンセットで肉の一部をもぎ取られるような痛みでした。
取り除いた際に頭や顎が皮膚の中に残っていないか、マダニをティッシュペーパーなどの白い紙の上に載せて点検します。また、取り去ったマダニを潰したりすると病原菌をまき散らすことになるので、紙に包んだままトイレに流します。マダニは生命力がかなり強いので、死んだことを確認できる方法で処理します。
マダニを出来るだけ容易に取り去る方法として、オリーブオイルやワセリンで窒息状態にしたり、防虫液などで弱らせてから取り去る方法もあります。ティーツリーオイルをたらしてみると、少し簡単に取れたような気がしましたが、これには諸説あって、刺激を与えることでマダニの体液がより多く皮膚内に注入されるから避けるべきという人もいます。
ライム病に感染するには24時間かかるので、まずは噛まれない予防策を取る事、万一噛まれたらすぐにマダニを除去することで避けることができますが、最近のニュースで気になったのが、ポワッソンビールスです。
ポワッソンビールスはポワッソン脳炎を発症させる病原菌ですが、ポワッソン脳炎には現在有効な治療薬がありません(ライム病には抗生剤が用いられます)。比較的稀な病気で、カナダでは過去40年間に12件の報告があるのみで、アメリカ北東部からカナダ東部に記録があるそうですが、マダニが活性化する時期に注意を喚起していました。
ライム病やポワッソンビールスは人もペットも感染するリスクがある人畜共通病ですし、他にもマダニが媒介する病気があるので、やはり、先ずは人も犬もマダニに噛まれないようにするのが先決だと思い、予防法を復習してみました。
マダニの生息地に立ち入らない
マダニは飛ぶことも跳ねることもできず、草の裏などに潜んでいて人や動物が触れたときについてきます。草の生い茂った場所、特に背の高い草のある場所は避けて通らなければいけません。また、野生動物が頻繁に行き来する獣道にはマダニが多く生息している可能性があります。
また、ハイキングで休憩する場合は草のない岩の上などが良いそうです。
服装
なるべく皮膚が外に出ていない服装、長袖に長パンツでパンツの裾はソックスの中に入れるかロングブーツを着用、袖口にテープを巻くとマダニの侵入を避けられるそうです。
マダニの生息地から帰ったら、服についていないか点検、すぐにシャワーを浴びたり、入浴して皮膚にマダニが付いていないかを点検。
防虫スプレー
マダニに限らず、蚊やその他の防虫にはDEETという成分が配合されている防虫スプレーが有効だそう
です。
ただし、服や持ち物の材質によっては腐食する可能性がありますし、毒性が強いので毛をなめるペットには使用できません。
さて、わが家ではどうしているかというと、地元でライム病の報告があって以来、わたしは森には行っていません。近くの湖は、駐車場から湖まではあまり草のないところを通っていけるので、犬の運動は今のところ湖で水泳か裏庭でボール遊びをして、舗装道をオンリーシュで散歩しています。
家人はマダニが嫌うローズゼラニウムオイルを犬に擦り込んで森に出かけて行っています。このオイルはバラのような香りで少量なら快適なのですが、犬2匹に適量つけるとかなり強烈です。森から帰ったら、毎回フリーコームで毛を漉いて点検、足を洗いながら指の間を点検なのですが、以前より念入りにしているので、かなり時間をかけています。これは、ちょっと真似できない忍耐です。
ジャーマン・シェパード ブログランキングへ
コメント
コメント一覧 (2)
今そちらは涼しいのですね。こちらは、急激に夏に向かって気温が上昇しています。今日の夕方、車の温度計をみたら32℃でした。湿気がないのであまり不快ではありませんが、日差しが強いので日焼け止めを塗っていないと、すぐに真っ黒になってしまいます。
今回、気持ちの悪いトピックで失礼しました。森に行っても、マダニが付いてくる確率はそれほどでもないのですが、当たりを引いてしまったときの処理が大変なので、気をつけます。
もう日の長さは真夏並みなので、昨日の夜7時頃に湖に行ってきました。とても気持ちの良い夜でしたが、日が落ちると同時に蚊が出て来て結構刺されました…
ぞぞむし
ワンコたちも夜冷房なしでゆっくり眠れます。
う~~~っとマダニの写真をみながらうなってしまいました。
見かけたことあります。
私は森にはいきませんが、道路の傍の草むらにはいかせないように
しています。確かにワンコたちのブラッシングタイムには
充分気を付けてみています。
とる時の痛みを想像すると、つかないようにするのが飼い主の
務めですね。
どうぞ、お気をつけられますように。。。。